ご挨拶

 法人の理念「共に生きて、共に育つ」は、保育園の児童だけでなく、法人職員と組織全体に向けられた言葉だと理解をしています。福祉制度が措置から契約にパラダイムシフトした時期になごみ福祉会に入職してから、変わらずに意識をしてきました。

 なごみ福祉会は、障害のある子は保育園や幼稚園に入れてもらえず、家族と家の中で過ごすしかなかった時代の1973年5月、障害のある子も地域のほかの子どもと遊ばせたいと願う一人のお母さんが、川崎市多摩区生田で自宅を開放しての遊び場作りを始めた事から始まった法人です。

 そのような法人の成り立ちにくわえ、「目の前にいる利用者に全力を尽くす」「出来ない理由を考えるより、出来る方法を考える」「サービスが無ければ作る」「障がいの有無にかかわらず誰もが地域で当たり前に暮らす事が目標」と語る当時の法人責任者の姿に、障害者の親としても希望と感銘を覚え、与えられた仕事に微力ながらも取り組んできました。

 大河の流れも雫の一滴から始まるように、現在のなごみ福祉会は、内外の多くの方の努力と、地域の方のご理解、関係者のご協力で、保育園と障害福祉施設が川崎市内と世田谷区内に拡がる大きな事業体に育ちました。

 その過程で多くの福祉制度の規制緩和が行われ、社会福祉法の改正、ガバナンスとコンプライアンスの強化、働き方改革、ハラスメント対策、メンタルヘルスケア等々、社会福祉法人を取り巻く環境は変化しています。「創業は易く守成は難し」です。

 世田谷区には「彼が一生は、教唆者に非ず、率先者なり。夢想者に非ず、実行者なり」と評され、近代日本の原動力となる多くの逸材を育てた幕末の思想家、吉田松陰を祭る松陰神社があります。コロナ禍以降、少子高齢化だけでなく、先の読めない流動的な社会情勢が続いていますが、その歩みにあやかり、法人事業の継続と発展の為に、職員一同と力を合わせてまいりますので、宜しくお願いをします。

理事長 梶山 則行

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